ペリレン誘導体の分子線蒸着におけるビーム空間分布と薄膜の高次構造

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概要

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新機能薄膜材料の創製のためには,薄膜における分子配向や結晶性などの高次構造の制御が必要である。その有力な薄膜作製方法である有機分子線蒸着法について,モデル物質としてペリレン誘導体(PTCDA)を用い,基礎的な検討を行った。分子の輸送過程に関係する分子ビームの空間分布について調べ,Kセルのるつぼ形状の変化によってその指向性を制御できることを明らかにした。また,薄膜作製時の基板温度と薄膜の構造の関係について検討し,作製時の基板温度が低いときは,PTCDA分子の平面が基板に平行に堆積し,結晶性は高くないが表面は平滑であり,屈折率の異方性が高い薄膜が得られた。しかし,基板温度を高くすると,結晶性は向上するが,平滑性が低下し屈折率異方性が減少する傾向となった。
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-06-20

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