画像オブジェクトに基づく空間推論

概要

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画像の抽出と空間の推論機能を内存した画像オブジェクトを導入し,時系列画像から並列に空間配置を推論する手法を提案する.オブジェクトは階層的に定義され,異なる階層の複数のオブジェクトが異なる尺度で画像を同時に観測し,各オブジェクトに応じた推論結果を排出する.オブジェクトは,隣接オブジェクト間の関係からしゃへい輪郭の変化を抽出し,推論に利用する.時系列の初期において,オブジェクトが線分であるか物体であるかにかかわらず,オブジェクトに応じた推論結果を出力する.いったん物体が識別されると詳細な推論は行なわずに,物体であることを前提にした推論を行なう.オブジェクトは抽出結果と推論結果を用いて,階層的特徴を変更できるため,抽出に応じた推論および推論に応じた抽出が実現される.また,同一物体性を計算し,同一物体性が高ければ,よりおおまかに観測するためにオブジェクトを統合し,同一物体性が低ければ,より詳細に観測するためにオブジェクトを分解する.そのため,しだいに同一物体中のオブジェクトは統合される.実際にカメラで撮像された時系列画像に本手法を適用し,手法の有効性を示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
1994-01-20