量子散乱3層構造における反射係数の極・零点の漸近分布

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
ポテンシャル, 電子の(正規化)有効質量ともに区分的に均一な3層(単一障壁あるいは量子井戸)構造で, 左右の外部ポテンシャルは等しい系を対象として, その反射係数(S行列)の極・零点の複素平面内で原点から十分離れた領域における分布の様子について考察する。あらゆる可能な有効質量分布について漸近解を実際に計算することにより, すべての有効質量分布に共通する結果として, 極も零点も可算無限個存在すること, 極・零点のそれぞれ(の集合)において隣同士の虚数部の差がほぼ一定値であり, ほぼ等しい虚部を持つ極と零点が1つずつ対を成すことを示す。また, 極同士, 零点同士の分布のパターンが, 直線的分布, 対数的分布の2つの種類に分けられて, いずれの有効質量分布の特性もそれらの組み合わせとして表されることを見る。さらに, 原点から十分離れた極は, 全て左半面に位置するのに対して, 零点は左右両半面に同様に分布しうることを示す。
1999-06-09

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク