MEMによる空間スペクトル推定法を用いたアダプティブアレーアンテナとそのスペクトル拡散通信への適用

概要

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移動体通信のフェージングを軽減する対策技術の1つとして、アダプティブアレーアンテナが考えられている。所望波と干渉波の到来角、およびSN比が分かれば、1時点で最適重み係数を決定することができる。最大エントロピー法(MEM)は、空間サンプリング信号を利用することで、到来角とSN比を離散フーリエ変換(DFT)より正確に推定することができる。従って、本研究ではMEMを用いた空間スペクトル推定に基づいたアダプティブアレーアンテナを提案し、これをMEMアレーと呼ぶことにする。また、MEMアレーの計算量軽減のため、時間更新式を利用した簡易型アルゴリズムを提案する。従来は狭帯域信号のマルチパスフェージンング対策に関してのみこのようなMEMアレーアンテナを検討してきたが、広帯域信号を用いるスペクトル拡散(SS)通信においては、MEMアレーの空間スペクトル推定精度が信号の帯域幅に依存する。したがって、符号分割多元接持(CDMA)時の他局間干渉の空間領域における除去特性が問題である。以上の各提案方式に対して、計算機シミュレーションによってMEMアレーとDFTアレーを比較し、これらを評価する。また、SS信号にMEMアレーを利用した場合の拡散率による信号の到来角、SN比の推定精度への影響についての評価を行なう。
社団法人電子情報通信学会の論文
1993-10-29

MEMによる空間スペクトル推定法を用いたアダプティブアレーアンテナとそのスペクトル拡散通信への適用

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