2次元低周波磁界と球状生体モデルのカップリング現象の定量化

概要

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位相差を考慮した2次元の外部磁界によって, 球状生体モデル内に誘導される電流の密度分布特性を明らかにした。これまで, 低周波磁界中の生体内部の誘導電流密度に関する解析は, 空間的に平等あるいは不平等な外部磁界に対して行われているが, 外部磁界成分間の位相差を考慮したものはほとんどない。ここでは, 生体内の任意の位置での誘導電流密度の分布特性を検討するため, 位相差を考慮した空間的に平等な磁界が均一媒質モデルに印加された場合についてモデル表面での誘導電流密度を計算した。その結果から, モデル内部の位置で決まる誘導電流成分間のなす角度と外部磁界成分間の位相差の関係が, 合成誘導電流密度に大きく影響していることを示した。また, 外部磁界が同位相あるいは180゜差の場合には磁界強度によらず常に誘導電流の流れない箇所が生じ, 更に位相差によって合成誘導電流密度の分布が異なることを示した。最後に, 超高圧送電線下の磁界環境を外部磁界として解析した結果から, モデル表面の位置と送電線下の位置の関係によって合成誘導電流密度は大きく異なる場合があることを示した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-01-25