並行プロセスのチャネル名スコープの超格子表現
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概要
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本稿ではπ計算と同様な並行プロセス代数の体系において、従来の名前制限の演算子に代わって、チャネル名の有効範囲を超格子上の区間で表現する方法を提案する.すなわち並行プロセスは、そのプロセスに含まれる範囲の制限された名前の数をn、プロセスの数をmとするとき、n次元空間上の一辺の長さがmの超立方体で表現される.各名前の有効範囲は、その超立方体を切断するn-1次元の超平面で区切られた領域により表現される.ここで提案する方法は、常にすべての名前の有効範囲を同時に陽に正確に示すことができる.したがって、従来の名前制限の演算子による表現のように、個々の名前ごとに有効範囲を調べるために構造等価な関係を用いて変形する必要がない.本稿では、この表現を用いた名前渡しを含むプロセスの表現方法を定義し、その表現方法を用いたラベル付き遷移システムを与えることによって、プロセスの操作的意味論を定義する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1999-01-23
著者
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