通信インフラにおけるセキュリティ技術 : インターネット時代の新たなモラル形成を目指して

概要

論文の詳細を見る
サーバとブラウザから構成されるWWWの普及により,インターネットは,電子メールを代表とする単なる2者間の通信手段から,分散的な多くの情報発信源を膨大な計算機が共有する手段として革命的な変身を遂げつつある.しかし,利便性の追求から,インターネット上での商取引まで利用される様になった現在,その危険性に対して防御するセキュリティ技術が必要になってきている.セキュリティの課題は,1)複製を制御すること,2)なりすましを避けること,3)プライバシーを保護すること等である.既に,情報セキュリティ技術は,暗号技術を基盤として,主に盗聴・改ざん・なりすましの防御を目的に研究されて来たので,近未来の課題まで有効な解答を与えられる状況にある. しかしながら,商取引などリアリティが増した対象に対して,社会的な基盤を構築する動きが必要になってきた.最近の特徴的な出来事として,一つは,国家安全保障と産業育成という相反する政策から生まれた,暗号製品の輸出規制とキー・エスクローの話題がある.何れも米国政府政策であるが,世界的に影響を与える可能性がある.今一つは,人や物を確認する為に,公けな裏付けを与える機関としてのCA(認証機関)の実用化である.本稿では,これら情報セキュリティ技術にとって重要な社会基盤を形成するキー・ワードを紹介し,議論に必要な情報を提供する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-07-26

著者

森田光
NTT情報流通プラットフォーム研究所

通信インフラにおけるセキュリティ技術 : インターネット時代の新たなモラル形成を目指して

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク