凹凸のある標的からの散乱波の強い強調の解釈
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概要
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ランダム媒質中の波動伝搬の研究により, 凹凸面をもつ標的のレーダ断面積が強く強調されることが明らかになっている. この現象は, H波が凸部に入射された場合に生じ, 従来の停留点からの鏡面反射の寄与のみから説明することができない. 一方, 凹部への入射の場合, レーダ断面積の異常な増加は見られない. 本論文では, 特に影領域に存在する変曲点の寄与から, この異常な増加が説明できることを的確に示す. この変曲点は実空間では鏡点ではないが, 凹部に焦点をもつクリーピング波による鏡点と解釈できる. しかしながら, 凹部入射の場合, 凸部入射に比べて影領域の変曲点からの寄与が極めて小さいので, このような大きいRCSの増加は起こらない. さらに, 平面波とビーム波はよく知られているように異なり, 特に影領域にある変曲点から発生する異なる寄与を導く. この2つの理由より, 異常なRCSの増加は, 凸部入射に対して発生する.
- 1999-08-27
著者
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