素子電界ベクトル回転法による衛星軌道上のフェーズドアレーの測定

概要

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フェーズドアレーアンテナではビーム走査や各種パターン合成のためにアレー動作状態での各素子アンテナの励振振幅位相を知る必要がある。素子アンテナの振幅位相測定に有効な方法として素子電界ベクトル回転法がある。この方法ではフェーズドアレーの各素子アンテナに接続されている移相器を用いてアレー状態で一つの素子アンテナの位相を変えたときのアレーの合成電界の振幅の変化だけを測定し、その結果を計算機処理して、その素子アンテナの振幅と位相を求める。この方法は振幅を測定するだけでよく、位相測定を直接行うことが難しい衛星軌道上のフェーズドアレーアンテナの励振振幅位相の測定に適している。この方法を用いて、衛星軌道上にあるETS-VI搭載Sバンドフェーズドアレーアンテナの励振振幅位相を測定した。また、測定で得られた位相をもとにSバンドフェーズドアレーが持つ移相器で設計値に合うように位相補正したときのビーム指向方向の変化を測定し、励振振幅位相の測定値の妥当性を評価した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1995-11-16