両眼立体視におけるトランスペアレンシーの計算理論と2重視差の一撃計算モデル
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概要
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重ね合せの原理に基づいて,両眼立体視における透明視(トランスペアレンシー)の計算理論と計算モデルを提案する.トランスペアレンシーとは,一般に,複数の重なり合った半透明な表面の視知覚であって,従来の工学的なステレオビジョンのアルゴリズムは,全くこのような状況を想定していなかった.本論文では,輝度ベースのステレオ視のエピポーラ線上における整合の拘束条件をトランスペアレンシーに拡張し,画像面の各点に2重視差が存在する場合に成立する基本拘束方程式を導出する.この方程式は,左右の画像の輝度の差と,それぞれの画像の輝度変化の間の拘束になる.更に,それを近似して得られる拘束方程式に基づいて2重視差の準線形アルゴリズムと一撃計算モデルを提案する.従来の多重運動の計算理論では,n個の運動視差に対して,最低n+1枚の画像が必要であったので,これを両眼立体視に適用することができなった.本論文で提案する計算モデルは,左右2枚からなるステレオ画像対におけるエピポーラ線上の各点において,2個の視差を線形フィルタの出力から直接一撃的に計算できる.従って,従来のように,アドホックな特徴抽出過程をステレオ整合に前置する必要がない.提案するアルゴリズムは,工学的には,SSD(Sum of Squared Difference)法を2重視差に拡張したものと考えることができるが,正則化理論を用いた実現も可能である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1994-07-25
著者
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