オプティカルフローからの多重運動立体視 : 重ね合わせの原理に基づいた基本拘束方程式の導出
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
動画像のオブティカルフローから3次元運動と3次元構造を推定する運動立体視アルゴリズムは、数多く提案されている。しかし、複数運動を扱う必要がある場合は、いろいろなセグメンテーション・クラスタリング手法と組み合わされたアルゴリズムが研究されてきた(e、g)。しかし、セグメンテーションは不良設定問題である。そのため、従来のアルゴリズムは、物体表面または運動の滑らかさや、画像面上での領域の連結性、局在性を仮定して、未知変数を減らす方策が採られるのが普通である。人間は、この前提条件が成立しない、複数物体が複雑に重なり合った状況でも、正しく複数運動が知覚できる。工学的なコンピュータビジョンにおいても、同様の問題を考えることができる。この場合を視覚心理学の用語を流用して透明視(Perceptual Transparency)と呼ぶ。画像フレーム間の特徴点対応、または、瞬時速度場であるオプティカルフローから剛体の3D運動と3D構造を推定するアルゴリズムは、動画像のコンピュータビジョンにとって基本的である。筆者は、すでに、2画像間の特徴点対応から3次元復元を行うための解析的アルゴリズムを透明視の場合に拡張した。しかし、特徴点の対応を得るためにはフレーム間追跡が必要である。オプティカルフローの始点と終点を特徴点対応とする方法は誤差の影響を受けやすい。本論文では、田川らが導いたエピポーラ拘束方程式を、「重ね合わせの原理」を用いて、重なり合った複数運動(多重運動と呼ぶ)に拡張する。なお、単一運動の場合の問題の定式化と記法は、Kanataniに準拠した。
- 1994-09-20
著者
関連論文
- 標準正則化理論の多価関数への拡張 : 滑らかな多重表面の復元
- 3次元物体投影像における一撃的交差形状解析法
- 局所微分フィルタを用いた多重スケール・多重方向場の表現と検出
- 局所微分情報に基づく交差形状解析 : 低次微分フィルタによるL,T,X交差検出
- 3次元物体投影像における交差形状解析 : 局所微分情報を用いた一撃的Y交差検出
- オプティカルフローからの多重運動立体視 : 重ね合わせの原理に基づいた基本拘束方程式の導出
- 1993年コンピュータビジョンとパターン認識会議参加報告
- 多価写像学習ネットワークの理論と視覚モジュールの学習による実現
- ディジタルPLLを用いたしま画像からの実時間形状復元処理(第2報) : 精度の改善と光学面形状測定への適用
- ディジタルPLLを用いたしま画像からの実時間形状復元処理
- 多価正則化ネットワークを用いた逆キネマティクスの学習
- 多価正則化ネットワーク : 多対h写像を学習する多層ネットワークの理論
- 標準正則化手法による重なり合った複数表面の復元
- 両眼立体視におけるトランスペアレンシーの計算理論と2重視差の一撃計算モデル
- 運動立体視にやけるトランスペアレンシー : 2透視投影像における点対応からの準最適線形アルゴリズム
- 2-2 上手に拘束条件を設定するには : 多重視覚情報の抽出を例にして(2.画像理解のための計算理論)(最近の画像認識・理解技術)
- 多価関数を近似する正則化ネットワークとその学習アルゴリズム
- 標準正則化理論の多価関数への拡張と多重表面の復元