多重オプティカルフロー : 基本拘束方程式と運動透明視・運動境界検出の統一計算理論
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概要
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従来のオプティカルフロー抽出アルゴリズムは,画像の各点に単一のフローベクトルが存在するという仮定のもとで成立する基本拘束方程式を基礎においていた.しかし,鏡面性や透過性をもつ物体によって複数のフローが生じる領域や,物体の境界などのフローが不連続になる領域においてはこの基本拘束方程式が成立しないために正しいフロー推定は一般に不可能であった.本論文では,まず,従来のオプティカルフローの基本拘束方程式を拡張し,画像の各点にn個のフローベクトルが存在する場合に成立する基本拘束方程式の実領域および周波数領域における表現を導き,その一般的解法を与える.そして,多重度2の場合に,動画像のガボール展開表現から2組のフローパラメータを閉形式の演算で求めるアルゴリズムを導く.更に,各多重度についての最適化問題の良設定性を表す指標として余裕エネルギーを定義し,各画像点におけるフローベクトル数を決定する基準を与える.最後に,運動透過性と運動境界を含む合成画像に対してこのアルゴリズムの有効性を確認する.本論文で提案する多重オプティカルフローの基本拘束方程式は,従来の種々の運動視モデルや動画像解析アルゴリズムを多重運動,運動透明視,運動境界を扱えるように拡張する際の基礎方程式として広く利用可能である.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1993-05-25
著者
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