ミリ波電波高度計を用いたフラクタル次元による地表反射特性の観測

概要

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本論文は, FM-CW方式の無線航法周波数帯(46GHz帯)を利用したミリ波電波高度計をヘリコプタに搭載して, 高度測定及び垂直入射角付近における地表面反射特性の測定による地表被覆状態の推定結果とその応用について述べている. すなわち, 受信信号のビート周波数のスペクトルの広がり, 直線飛行時の進行方向に対する散乱係数のフラクタル次元及び地表の凹凸の変化量のフラクタル次元が, 地表被覆状態を分類できるミリ波反射特徴量となりうること, また両者のフラクタル次元に正の相関が見られることを示している. これらは飛行中に実時間で地表被覆状態を推定して, 地表面反射特性に適応した最小放射電力への制御をすることにより, 受信レベルの変動を抑えて高度測定機能の中断防止への利用が期待される. また, 高速航空機などへの搭載において, 同一の地表被覆からのデータが十分とれない, 又はフラクタル正規雑音に白色正規雑音が混合する場合にも, 局所フラクタル次元の算出が可能な手法を提案する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1999-05-25