非線形処理による同時送受信

概要

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送信機の近傍にある受信機の機能を妨げずに, 常に送受信できる同時送受信システムを想定し, 本システムにおいて重要な技術課題である, 干渉波除去の一つの方法について研究をしている.提案方式は非線形回路を用いた干渉波抑圧方法であり, 非線形回路による干渉波抑圧をアレー空中線の各素子にもたせ, 非線形回路で干渉波を除去した後, 非線形で発生する混変調成分, および消え残りの干渉波を, 空間平均により抑圧して希望波のみを抽出している.この方法は干渉波と希望波の弁別として相関を用いず, また, 複雑な計算も要しないため, 干渉波除去が瞬時にできるのが特徴である.また, 原理的に干渉波除去において位相調整は不要であるため, 広帯域なFM雑音干渉波に対して非常に有効である.このような方式における干渉波除去の改善特性について理論的に検討し, また, 従来からあるエコーキャンセラ方式と本方式について実験を行い, 本方式の干渉波の除去性能の優位性について定性的に述べている.
社団法人電子情報通信学会の論文
1998-09-25