CPSY2000-58 CcNUMAシステムにおける共有データの先行評価
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概要
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本論文ではccNUMA(キャッシュ・コヒーレンスが保たれ、メモリアクセス時間が均一でない)システムにおける共有データの先行・遅延評価法を提案する。この方法では、共有データに対する同期に起因する逐次アクセスおよびキャッシュ一致動作の複雑度を軽減することによって通信遅延を減少させている。共有データが複数のデータユニットから構成されるとすると、ブロッツ・サイズのデータユニットと共に、偽共有(false sharing)を避けるためワード・サイズのデータユニットも使用可能である。同期の1サイクルは2フェーズで行なわれる。第1フェーズでは、各データユニットに対するプリフェッチ要求をそのユニット用のキュー内に入れて直列化する。第2フェーズでは、データフロー計算機の同期機構に似た細粒度同期機構により、各データユニットの排他的コピーをパイプライン的に前所有者から直接得て次所有者に直接渡す。従って、複数のノードが共有データを先行評価、すなわち共有データの異なるデータユニットを同時に処理できる。この機構により共有データの遅延評価も可能である。細粒度同期機構はライトコピーを直接移動(writemigrate)するキャッシュ・プロトコルによって支援されている。また、効率を上げるため、この機構とキューはキャッシュ内に置かれている。プリフェッチと次所有者へのデータユニット転送はソフトウェアでスケジュールされる。解析とシミュレーションによって得られた同期性能が示されている。
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-08-27
著者
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