二層膜垂直磁気記録媒体の軟磁性層から生じる記録信号誘起ノイズ(垂直記録及び一般)

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二層膜垂直磁気記録媒体の軟磁性層に起因するノイズや再生信号の変動を調べるため、信号を記録したトラック周辺について、GMRヘッドを用いて繰り返し再生を行い、再生信号の変動量を測定した。このとき、媒体上の各地点における再生信号の平均値と標準偏差を求めることによって、二層膜媒体に記録された信号周辺における再生信号の平均値および標準偏差の2次元像を得た。記録信号の線記録密度や軟磁性層の材料による再生信号の変動量の違いや、再生信号とその変動量との相関もあわせて観測した。Fe-Co-Al-O軟磁性層を持つ記録媒体の場合、線記録密度160 kFRPI以下では再生波形の変動量を記録トラック全体で積分した値は記録密度に大きく依存せず、160 kFRPI以上の線記録密度で変動量の積分値が減少した。再生波形が負の値を取るときの波形変動量も同様の線記録密度依存性を示したことから、Fe-Co-Al-0軟磁性層を持つ記録媒体では、再生波形が負の値を取るときの再生波形変動が記録信号に誘起されるノイズの主成分であると考えられる。一方Fe-Si-N軟磁性層を持つ記録媒体の場合、80 kFRPI以下では再生波形の変動量を記録トラック全体で積分した値はほとんど変わらず、80 kFRPI以上で変動量の積分値は単調に減少した。また、再生波形が正の値を取るときと負の値を取るときとで、波形変動量はほとんど変化せず、線記録密度が増加するにつれて、波形変動量は全領域で減少した。したがって再生波形の変動は再生信号の正負に依存せず、ランダムな位置で起こると考えられる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-07-02

二層膜垂直磁気記録媒体の軟磁性層から生じる記録信号誘起ノイズ(垂直記録及び一般)

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