生体ノイズ特性に基づく終点分散最小規範の再検討(バイオサイバネティックス,ニューロコンピューティング)

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概要

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本論文では,Harrisらによって提案された終点分散最小規範の再検討を行った.この仮説で重要な点は,「運動指令の揺らぎ(分散)は運動指令の大きさの2乗に比例して増加する」と仮定していることであるが,生理実験の報告ではこのべき乗数pの値は1.0〜1.2であり,この仮定の妥当性には疑問がある.そこで,べき乗数pの値を1〜3の間で変化させて彼らの例題を追試したところ,眼球運動,1自由度の到達運動及び2自由度の到達運動の例題において,終点分散最小軌道はpの値によって変化し,特にpの値が1に近い場合は行動実験で観測される軌道と大きく異なるという結果が得られた.また,pの値が2から離れると,終点分散最小規範ではFittsの法則を満たさないという結果が得られた.以上の結果は,終点分散最小規範が実際の軌道計画に反映されているかどうかは,pの値に大きく依存することを示唆している.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-04-01

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