足圧中心の時間的な移動と空間的な移動軌跡に基づく歩行の良さの定量評価(画像認識,コンピュータビジョン)

概要

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効果的な歩行指導を目的として,歩行指導の専門家の知見を反映する物理的な特微量に基づいて歩行の良さを定量評価する手法を開発した.「歩行の良さ」という言葉には,足の運び方,上体を含めたバランス,美的要素などの観点が含まれているので,ここでは,主観的な判断と物理的特徴を関連付けることが容易な「足の運び方」を主体として検討を行った.具体的には,足の運び方のバランスを保つ上で重要な条件とされる2種類の物理的特徴,すなわち,(1)足底のあおり(踵が着地してから重心が身体のやや外側を通る)と(2)ローリング(踵から爪先までの足の裏を順番に使う)に関して,圧力センサにより計測される足圧中心軌跡を用いて指導者と学習者の差分を各々空間的な特徴量と時間的な特徴量として記述した.この二つの特徴量を用いた重回帰式を用いて専門家の目視による総合評価を推定した結果,これらの特徴量が歩行の良さの評価パラメータとして有効であることが明らかとなった(寄与率約50%).また,データの可視化ツールと歩行の良さの評定値予測を実装した歩行評価装置を試作し,実際の歩行指導において補助となる見通しを得た.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-10-01