複素ニューラルネットワークを用いた核磁気共鳴スペクトル推定法(バイオサイバネテッィクス,ニューロコンピューティング)

概要

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MRS (magentic resonance spectroscopy)とは,生体代謝物の核磁気共鳴(NMR)スペクトルを収集・推定するものである.MRSにおいては,通常,複素信号であるNMR信号の実数部をフーリエ変換することにより. NMRスペクトルを得ている.このとき,スペクトルから生体代謝物を推定するためには,スペクトルピークの面積を計測しなければならない.その計測にはカーブフィッティング法が用いられている.しかし,この計測法は人手の介入が必要であり,煩雑であるため大量のデータ処理には不向きである.このため,MRSではNMRスペクトルを自動推定する方法が求められている.本論文では,ホップフィールド型複素ニユーラルネットワークを用いたNMRスペクトル推定法を提案し,スペクトル推定の自動化を試みる.またNMR信号の減衰状態に注目して,新たに逐次区間拡大法を考案する.この逐次区間拡大法を併用すると,スペクトルの推定精度が向上することを示す.また考察により逐次区間拡大法は,ホップフィールド型ネットワークにおける局所解問題を軽減することを示す.
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-10-01