100歳老人の認知機能 : 東京都100歳老人からの検討
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概要
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本研究の目的は, 100歳老人の認知機能の特徴を明らかにすることであり, 東京都に在住している100歳以上の老人男女174名を対象とし, より若年の正常老人および大学病院の外来痴呆患者と比較した。認知機能の測定は長谷川の痴呆診査スケールを用いた。教育要因を統制しても, 女性での認知機能の低下は男性での低下よりも急速であり, これが年齢が高くなるほど認知機能の性差を大きくしている。教育要因も認知機能に有意に影響を及ぼしており, 教育が高いほど高齢になっても認知機能はよく保たれていた。100歳老人の中の痴呆老人の方が外来痴呆患者よりも認知機能の障害が大きかった。長谷川スケールの項目についての分析の結果, 項目により100歳の痴呆老人と外来患者の間で低下の仕方が異なっており, 両群の認知機能の低下に質的にも差が認められた。以上の結果は100歳老人の認知機能の低下は正常老化と異常老化の双方が関与していることを示唆している。
- 1992-09-25
著者
-
中里 克治
岩田県立大学社会福祉学部福祉臨床学科
-
中里 克治
東京都老人綜合研究所心理学
-
下仲 順子
東京都老人総合研究所
-
本間 昭
東京都老人総合研究所
-
本間 昭
東京都老総合研究所精神医学研究室
-
本間 昭
東京都老人総合研究所精神医学部門
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