75. ウサギ外眼筋支配の動眼神経運動核の局在性について : HRP法による観察
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概要
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Tarlov(1971)は逆行性変性法を用い, ネコ動眼神経運動核における外眼筋支配領域のモデルを報告すると同時に, サルを用いたWarwick(1953)の模式図に比べ, 下直筋と内直筋の支配領域が逆転していると述べた。今回は支配領域の動物差を調べるため, horseradish peroxidase (HRP)をウサギ外眼筋に注入しこれまでの報告と比較対比した。ウサギ(50例)を使用し, 上直筋, 下直筋, 内直筋および下斜筋に50%HRPを5〜10μl注入した。48時間後に脳を摘出し, 中脳領域の連続凍結切片を作成, Graham-Kar-novsky法で処理したのち光顕的に観察した。前頭面における各外眼筋支配神経細胞は, 上直筋支配のものは対側性, 他の3筋支配のものは同側性に位置していた。吻側から約1/3の部位では内直筋群が腹内側部, 下斜筋群が背側部, 下直筋群が腹外側部を占めていた。それらは徐々に位置をかえ, 吻側約2/3では最後に出現した上直筋群が背側部を占め, 腹側へ向かって下斜筋群, 内直筋群, 下直筋群の順序で重なり合っていた。以上の結果はサル, ネコの所見とは著しく相違し, 動眼神経核における外眼筋支配細胞局在の系統発生学的研究に重要な示唆を与えるものである。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
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