腎細胞癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘術10症例の検討および後腹膜到達法の試み

概要

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(目的) 腫瘍体積の小さい腎癌10例に対し, 腹腔鏡下根治的腎摘術 (LPRNX) を行ったので, その成績を報告すると共に, この手術法の技術的問題を中心に検討した. (対象) 術前T1N0V0M0または腫瘍長径が5cm未満のT2N0V0M0の腎癌と診断され, LPRNXの施行が可能と考えられ, informed concentの得られた10例の患者を対象とした.4例はT1であり, 6例はT2であった.患側は右側が7例, 左側が3例であった. (方法) 8例は経腹膜的, 2例は経後腹膜的に腎に到達し, 内視鏡操作にて腎を副腎, 腎周囲脂肪組織と共にGerota筋膜に覆われたまま一塊にして剥離した.遊離された腎は, 専用の袋に収納して, 細切せずに操作孔に4〜5cmの切開を加えて作成した創より体外に取り出した. (結果) 平均手術時間は331分, 平均出血量は380mlであり, 10例共に, 内視鏡操作にて腎摘術が可能であった.合併症として脾損傷, 副腎損傷を経験し, 後者で輸血を要した.摘出腎の病理診断はすべて胃癌であった.術後の平均在院日数は10.6日であり, 社会復帰までの期間は平均20日であった.現在までに2〜29ヵ月, 平均15.2ヵ月間を観察しているが全例ともに再発は認めていない. (結論) 腹腔鏡下根治的腎摘術は, まだ, 改良の余地はあるものの, 広範なリンパ節廓清の不要な腫瘍体積の小さな胃癌に対してminimally invasive therapyになりうる手術方法と考えられた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1995-11-20

腎細胞癌に対する腹腔鏡下根治的腎摘術10症例の検討および後腹膜到達法の試み

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