無水エタノールによる術前腎動脈塞栓術の検討 : 本邦アンケート調査を含めて

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概要

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1.根治的腎摘除術の術前処置として無水エタノールによる腎動脈塞栓術を32例の腎細胞癌に施行した.2.塞栓術による腎梗塞巣の拡がりはかなり広汎で、検討した28例中26例では非癌部の75%以上に及んでいた.3.塞栓術後の痛みの程度は軽く、32例中22例では術前鎮痛処置のみで術後は痛みをみとめなかった.4.塞栓術に関する本邦197施設からのアンケート調査の結果、その意義をみとめての原則的施行は21%、意義なしとしての不施行は19%、case by caseでの施行は41%であり、塞栓術の施行の意義に関しては、積極的な賛成と反対は相半ばしている現状が示された.5.塞栓術から腎摘除術までの期間は3〜7日が全体の62%で最も多かった.また、塞栓物質の選択では、無水エタノールを使用している施設は全体の42%であった.6.腎動脈塞栓術に於て、無水エタノールは有用性があり、今後一層用いられるべき塞栓物質と思われた.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1993-02-20

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