B-15 超塑性チタン合金の歯科への応用 : 拡散接合の検討

概要

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拡散接合法(diffusion bonding)は母材を溶融することなく、特定の温度と圧力で金属原子間の相互拡散により接合する方法を指している。すでに航空宇宙工業ではチタン合金の超塑性成形と拡散接合を一体で行うのが普通である。歯科用の超塑性チタン合金床の成形においてもこの拡散接合ができれば床の成形と同時にクラスプを接合できるなど、部分床義歯の製作が容易になるなど応用範囲もさらに広がる可能性がある。そこで超塑性成形用Ti-6Al-4V合金に対し、純チタン、Ti-6Al-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金、コバルトクロム合金の拡散接合を超塑性成形と同時に試み、接合強さを求めた。インサート材として金箔、パラジウム箔、金銀パラジウム合金ろう、金合金ろうを検討した。この結果インサート材を用いれば純チタン、Ti-6Al-4V合金、Ti-20Cr-0.2Si合金では比較的簡単に拡散接合が可能であった。コバルトクロム合金ではインサート材として各ろう材を流ろうしておくことにより拡散接合が十分可能であった。
日本歯科理工学会の論文
1990-03-15