超塑性成形法によるチタン合金床の研究
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概要
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Ti-6Al-4V合金は良好な生体適合性と優れた機械的性質を合わせ持ち, しかも800〜900℃の超塑性温度では小さな力で大きく変形し, 成形加工が容易となる.このTi-6Al-4V合金の超塑性を義歯床の成形に応用することを試みた.改良したリン酸塩系埋没材で歯科鋳造の鋳型を作るのと同様の工程で超塑性成形用の型を作製した.この型を耐熱合金製容器に入れ, Ti-6Al-4V合金板をセットし, 850℃に加熱してアルゴンガス圧で超塑性成形した.この超塑性成形したTi-6Al-4V合金床の模型との適合性はCo-Cr合金による鋳造床の適合性より良好であった.またTi-6Al-4V合金床は型との反応や酸化, 窒化が比較的少なく, 表面硬化も少なかった.表面はCo-Cr合金鋳造体よりはるかに滑らかであった.引張強さ, 伸びは共にCo-Cr合金より優れていた.超塑性成形はTi-6Al-4V合金による義歯床の成形法としてきわめて有効と考えられた.
- 日本歯科理工学会の論文
- 1989-03-25
著者
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岡田 稔
住友金属工業株式会社未来技術研究所新材料研究部主席研究員
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藍 稔
明海大学歯学部
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藍 稔
東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第3講座
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藍 稔
東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第一講座
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浜中 人士
東京医科歯科大学医用器材研究所金属材料部門
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中野 毅
東京医科歯科大学医用器材研究所金属材料部門
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奥野 攻
東北大学歯学部歯科理工学講座
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奥野 攻
東京医科歯科大学医用器材研究所金属部門
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浜中 人士
東京医科歯科大学
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三浦 維四
東京医科歯科大学医用器材研究所金属材料
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奥野 攻
東京医科歯科大学医用器材研究所
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伊藤 実希夫
東京医科歯科大学歯学部第一歯科補綴学教室
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岡田 稔
住友金属工業(株)未来技術研究所
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三浦 維四
東京医科歯科大学名誉教授
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三浦 維四
東京医科歯科大・医用器材研
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岡田 稔
住友金属工業(株)
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