リアルタイムスケジューリングのためのI/Oアクセス制御

概要

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連続メディアを処理するプロセスのリアルタイム性を確保するためには, プロセスに対して, CPU資源だけでなくI/O資源もリアルタイムに割り当てる必要がある.しかし, 従来のI/Oのスケジューリング方式では, 他のプロセスによってリアルタイム性を保証しなけばならないプロセスをブロックしてしまう場合がある.これを解決するために, 本論文では, 優先度の高いプロセスが, 優先度の低いプロセスによってI/Oをブロックされる時間を短くするための機構を提案する.本論文では, 特に, ハードディスクを対象した機構について述べる.ブロック時間を短くするためには, プロセスの優先度に基づいてI/O操作のタイミングを調整する必要がある.本機構では, リアルタイムプロセスがデバイスを利用する間は優先度に基づいてアクセスを制限する手法を用いた.本機構の有効性を示すために, Linux上での動画再生を例として, I/O要求を発行した場合のブロック時間を測定した.その結果, 優先度順にI/O要求を処理した場合よりもさらに29.5%が本機構によって短縮できるという試算を得た.
2001-07-26