分散メモリ型並列計算機のための多重スカイライン法
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概要
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有限要素法(FEM)によって生成された疎な対称行列を三角分解する問題を考える。FEM構造解析では三角分解に帯行列法やスカイライン法を用い, 番号付けにはカットヒルマッキー法やウェーブフロント法などのスキームを用いることで, 帯幅を小さくするアプローチが一般に使用されている。しかし疎行列の三角分解の計算量は, 節点の番号付けと三角分解の計算法の組合せによって大きく変化するので, このような単純なアプローチでは, 無駄な計算を多く実行することになりかねない。本稿は, 計算量の増加をきょくりょく抑え, カーネルの計算速度も良好で, 分散メモリ型の並列計算機向きの並列化も容易な, 多重スカイライン法を提案するものである。はじめに領域分割順序による番号付けが, 自然な順序によるものよりも計算量をいちじるしく少なくする可能性を持っていることを示す。次にこの性質を活かした多重スカイライン法を逐次計算アルゴリズムとして述べ, さらに分散メモリ型の並列計算機を前提にこれをSPMD化(並列化)する。またこれらの方法をプログラムを作成して性能測定し, アルゴリズムが有望であることを確かめた。
- 1996-10-04
著者
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