分散メモリ型並列計算機での対称行列のデータ構造と多重スカイライン法への応用(<特集>並列処理)
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概要
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分散メモリ型の並列計算機のための密行列のデータ構造として, 2次元ブロックサイクリック分割・分散が定着している.この方法は一般行列にはうまく機能し, 自動並列化も可能である.しかし対称行列の場合は, 上または下三角部分の要素だけを扱うため, この一般行列の場合の利点の大部分が失われる.分散メモリ型の並列計算機では, 対称行列のデータ構造として, 正方行列の記憶域を確保し, その半分だけを使用する方法が普及している.本論文では, 三角行列の記憶域だけを確保すれば計算可能な圧縮法を提案する.これにはCC型とCB型の2通りの配置方式がある.前半で密行列について, 典型的な行列計算である行列ベクトル積と三角分解を例に, データ構造による比較を行い, 正方行列の記憶域を確保する方法から圧縮法への変換が比較的簡単に行えることを示す.後半では多重スカイライン法による疎行列の三角分解の最終段階に現れる準密行列に対して, 2章の方法に変更を加えて, ゼロ演算を回避することで性能向上を達成した例について報告する.これらの結果から, 対称行列にCB型圧縮法を用いることを有効性を示す.
- 2000-05-15
著者
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