思春期性教育活動に向けての基礎調査 : 中学生, 保護者, 教師の意識調査から

概要

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思春期における望まない妊娠, 人工妊娠中絶や性感染症(STD)が急増し, 社会的な問題になっている。本研究は効果的な思春期性教育を検討するための基礎的調査を目的として, 鳥取県内の某中学校2年生とその保護者, 教師に思春期教育に関する意識調査を行った。1. 中学2年生では, 友人やマスコミから情報入手しており, 避妊法の有識率は30%と低く, 性の相談を誰にもできないものが12.7%あった。2. 避妊法の指導について保護者は「使用方法まで」, 教師は「避妊法まで」と考えているものが多かった。3. 保護者は子どもの性教育の内容について知らないものが約30%あった。4. 助産師として思春期教育の現場に積極的に介入してほしいというニーズがある。以上より, 教師と保護者は, 子どもの性教育について情報交換をし, 相互理解する必要がある。また, 助産師など医療従事者は教育現場に出向く必要があると考えられた。社会における性関連行動と意識の変化は, 思春期の子どもたちにさまざまな影響を及ぼしている。なかでも望まない妊娠, 人工妊娠中絶や性感染症(以下, STDと略す)などは将来にわたる深刻な影響を残すことも少なくない。