三段差動排気系を用いた液体イオン化質量分析計とその応用
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概要
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液体イオン化質量分析計の感度向上のため,新しい装置を試作した.イオン源からピンホールを通って分析部に流入するイオン量を増加させるために,ピンホール径を0.25mmφに拡大し,これに伴って増加する流入アルゴンは三段差動排気系を用いて排気した.試作装置により,グリセリンの多量体イオンを用い,ユニット分解能でm/z800まで正確に質量数較正が可能となり,この分解能で200pgのアデノシンのプロトン化分子(MH^+)強度がS/N=4で得られた.鉱油と混合している潤滑油添加物(亜鉛錯体)を前処理なしで選択的にイオン化してプロトン化分子(MH^+)の検出ができ,その同位体比が計算値と良く一致した.又,リジンを用い,衝突解離によって構造と良く対応したフラグメントイオンを生成させることができた.感度が改善され,本イオン化法の特長が再確認できたと同時に十分な実用性を有する装置が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-01-05
著者
-
土屋 正彦
東京大学工学部工業化学科
-
土屋 正彦
東京大学工学部
-
武捨 清
旭電化工業
-
大塚 紀一郎
日本電子株式会社
-
水野 悳夫
日本電子株式会社
-
東 光士
日本電子株式会社
-
武捨 清
東京大学工学部工業化学科
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