直接試料導入-化学イオン化マスクロマトグラフィーによる薬物中毒の緊急検査法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
直接試料導入を用い,イソブタンを試薬ガスとした化学イオン化質量分析法で催眠薬,鎮痛薬,向精神薬,抗パーキンソン氏病薬などによる急性中毒診断のために,確実かつ迅速な同定法について述べる.使用した17種類の薬物の化学イオン化(CI)マススペクトルはブロムワレリル尿素を除いて,MH^+イオンのほとんどがベースピークとなり,質量を読み取るだけで同定できた.しかし沸点差の大きく異なる薬物混合物や大きな濃度差のある薬物混合物に対してはCIマスクロマトグラフィーを用いなければ正確な同定が困難であることが分かった.この手法により胃洗浄液や血清抽出物中に含有するすべての薬物の同定を行った.CIマスクロマトグラフィーは揮発性,不揮発性薬物に関係なく数分で測定できる特徴をもっている.定量が必要なときは内部標準物質を用いれば良いことが分かった.この手法の検出限界はCIマスクロマトグラフィーで数十ng,CIマスフラグメントグラフィーで数ngオーダーである.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-06-05
著者
-
島田 力
大阪府立公衆衛生研究所
-
島田 力
大阪府公衛研
-
島田 力
Department Of Biochemistry And Center In Molecular Toxicology Vanderbilt University School Of Medici
-
沢辺 善之
大阪府公衆衛研
-
沢辺 善之
大阪府立公衆衛生研究所
-
村田 武
(株)島津製作所応用技術部
-
中村 順子
(株)島津製作所応用技術部
-
村田 武
島津製作所
関連論文
- 新規CYP2A6遺伝子多型のハプロタイプおよび機能解析
- P-74 ヒトアセチル転移酵素のニトロアレーンと芳香族アミンの代謝的活性化における役割
- ヒト肝ミクロゾームのCYP2C9とそのCys-ならびにLeu-変異体によるフルビプロフェン, ワルファリン, ジクロフェナックの水酸化
- CYP2C19とCYP3A4酵素によるオメプラゾール水酸化: 発現系酵素を利用したヒト肝ミクロゾーム中での二つの酵素の寄与の予測
- ヒトCYP3A4の薬物酸化反応におけるb_5の役割
- ヒトP4503A4のテストステロン6β水酸化及びニフェジピン酸化活性におけるチトクロームb5の役割
- ヒト成人肝, 胎児肝ならびに成人肺ミクロゾームP450による発癌性物質の代謝的活性化
- ヒトP450/P450還元酵素共発現系の触媒活性に及ぼすチトクロムb_5の影響
- 高分子材料中のオクチル酸スズ(2-エチルヘキサン酸スズ)の分析
- 雄ラット特異的に腎障害を引き起こすリモネン異性体のラット肝ミクロソームによる酸化反応雌雄差および動物種差