ガスクロマトグラフィー/化学イオン化質量分析法による単糖類,デオキシ糖類の立体異性体の識別
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アンモニアを試薬ガスとしたガスクロマトグラフィー/化学イオン化質量分析法で単糖類とデオキシ糖類の分析を行い立体異性体の区別について検討した.試料をトリメチルシリルエーテル化した後,測定を行うことにより,(M+NH_4)^+ イオンが出現することを見いだした.(M+NH_4)^+イオン強度が小さければα,高ければβでありアノマーの区別が化学イオン化マススペクトルで可能となった.相対強度比でD-ガラクトースは4.5%と56.3%,D-グルコースは8.2%と22.6%,D-マンノースは7.9%と25.1%,6-デオキシ-L-ガラクトースは0.7%と5.1%,2-デオキシ-D-ガラクトースは1.3%と8.4%,6-デオキシ-L-マンノースは0.08%と0.7%, 2-デオキシ-D-グルコースは1.2%と10.8%である.このことを利用して,γ-D-ガラクトース,γ-D-グルコースと呼ばれている成分が,α-D-ガラクトフラノース,α-D-グルコフラノースであることが分かった.アノマー以外の立体異性であるエピマーの区別,デオキシ糖類のデオキシ位置,フラノース,ピラノースなどの区別も化学イオン化マススペクトルから決定できることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-07-05
著者
関連論文
- 直接試料導入-化学イオン化マスクロマトグラフィーによる薬物中毒の緊急検査法
- 直接試料導入/化学イオン化質量分析法による急性薬物中毒緊急検査法の検討 (食品・薬品の分析・測定-2-)
- 直接試料導入/化学イオン化質量分析法によるトリグリセリドの分析
- ガスクロマトグラフィ-質量分析法によるトリグリセリドの分析 (生化学と分析機器-2-)
- 医学におけるGC/MSの応用--エミッタCl,エミッタElでは何が測定できるか ("医学におけるGC/MSの応用")
- ガスクロマトグラフ質量分析計GCMS-QP1000による高沸点・高質量化合物の分析検討
- 6-1 四重極型GC-MSによるアミノ酸の^N存在比の測定(6.植物の代謝および代謝成分)
- 窒素をキャリヤーガスとしたガスクロマトグラフィー/質量分析法
- ガスクロマトグラフィー/化学イオン化質量分析法による単糖類,デオキシ糖類の立体異性体の識別
- GC-MSによるアミノグルコサイド系抗生物質の分析 : カナマイシンA,カナマイシンB,ネオマイシンB
- エストロゲンの抱合と代謝:II. in vivo, 犬腎におけるestroneの抱合と代謝