GC-MSによるアミノグルコサイド系抗生物質の分析 : カナマイシンA,カナマイシンB,ネオマイシンB
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概要
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ピストリフルオロシリルアセトアマイド(BSTFA)試薬を用いてカナマイシンA,カナマイシンB,ネオマイシンBの水酸基,アミノ基の活性な水素を直接トリメチルシリルエーテル化(TMS化)してGC-MS分析を行なった.1%OV-1(クロモソルブW担体をシラン化したもの)を1m×3mmφのガラスカラムに充てんして,250〜290℃(2℃/min)の昇温分析を行なった.カナマイシンA(1276),カナマイシンB(1275),ネオマイシンB(1550)はそれぞれの分子イオン(M<SUP>+</SUP>)ならびにフラグメントイオンの検出により,すべての水酸基,アミノ基がTMS化処理できていることが確認できた.また同時にマススペクトルから,これらのTMS誘導体のフラグメントイオンの検討を行なった.カナマイシンAは,カノサミン,ジオキシストレプタミンからの<I>m/e</I>450,342のほかに<I>m/e</I>810,723,360のフラグメントイオンが強く現われる.カナマイシンBはカノサミンの2位が,-OTMSから-NHTMSになっているためカナマイシンAに比べて<I>m/e</I>449,809のフラグメントイオンピークが現われてくる.ネオマイシンBは<I>m/e</I>1084,1010,741,725,449,377,343がおもなフラグメントイオンであるが,<I>m/e</I>809が現われていないという興味あることがわかった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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