単流路フローインジェクション分析法によるアクリノールの高感度蛍光光度定量

概要

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アクリノールはpH4の30v/v%アセトン溶液中で強い蛍光を示す.この蛍光特性を利用して, 緩衝溶液下(pH4)アセトンを含む試料溶液をキャリヤー溶液に注入するアクリノール測定用単流路フローインジェクション法を考案した.このシステムは小分散系で高感度及び迅速分析に威力を発揮する.励起波長λ_<ex>=366nm, 蛍光波長λ_<em>=496nmにおいてアクリノール濃度(1×10^<-9>M〜7×10^<-8>M)と蛍光強度(ピーク高さ)の間に良い直線性が得られた.アセトンの添加は, 無添加の場合に比べ有機溶媒により1.7倍の増感効果が認められた.検出下限は7.5×10^<-10>M(S/N=3), 5×10^<-8>Mアクリノールの10回の繰り返し定量のRSDは0.5%であった.試料処理数は60/hで処理能力に優れている.ベルベリン, ジブカインは蛍光を示すが, アクリノールの蛍光特性との違いからアクリノールの蛍光強度に全く妨害を与えないので, 本法は選択性にも優れている.
社団法人日本分析化学会の論文
1994-03-05