2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)アニリンを用いるニッケルの微量吸光光度定量
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概要
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2-(5-ブロモ-2-ピリジルアゾ)-5-(N-プロピル-N-スルホプロピルアミノ)アニリンはpH6.4-7.5においてニッケルと2 : 1のキレートを生成する.このキレートの吸収極大波長は568nm, モル吸光係数は1.17×10^5l mol^<-1>cm^<-1>でSandell表示による感度は5.02×10^<-4>μg cm^<-2>である.0.04〜0.5ppm濃度のニッケルの定量が可能で, 定量下限は40ppb, 0.3ppmニッケルに対する相対標準偏差は0.72%(n=10)である.通常の陰イオン, Ca, Mg, Al, Cd, Crなど多くの金属イオンはニッケルの定量に影響を与えない.Fe, Co, Cuは30ppb以上の存在で正の誤差を与えるが, 微量のFeはタイロン, Cuはチオ尿素の添加により, ともに妨害抑制が可能となる.Coの含量の少ないアルミニウム合金中の微量Niの定量に応用できる.Fe含有量の多いステンレス鋼などの試料ではマスキングが不十分であるため, 塩酸-4-メチル-2-ペンタノン抽出によるFe除去の前処理が必要であるが, 他の金属はマスキングが可能で容易にNiの定量ができる.又, この反応をFIA法にも導入できる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1990-07-05
著者
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