生物試料の非破壊計測を目的とした高分解能蛍光X線元素マッピング装置の開発
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概要
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試料中の元素分布を生きたままで非破壊的に観察することを目的として, 高分解能蛍光X線元素マッピング装置を開発した.光源に比較的低エネルギーのK_α線を発する銅管球を, 集光にガラスキャピラリーを使用し, 又大面積の半導体検出器2個を使用することで空間分解能を16μm まで向上させることに成功した.この値は従来の装置の約1/10に相当し, 検出能はほぼ同程度の値を維持することができた.開発したマッピング装置を使用して酸性雨模擬溶液を滴下した場合及び, X線を長時間照射した場合のマメ科植物の葉中での元素分布の経時変化を生きたままで観察した.これらの結果を比較したところ, 酸滴下とX線照射障害で特に障害発生初期段階の元素移動挙動に差異のあることが示唆された.又希少な医学標本の非破壊分析として, 原因不明の脳結石病の解剖標本の元素マッピングを行い, 発症機構解明に寄与する情報を得ることができた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-11-05
著者
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