オージェ電子分光法によるアルミニウム陽極酸化皮膜の深さ方向分析(<特集>表面・界面・薄膜と分析化学)
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概要
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オージェ電子分光法を用いてアルミニウム陽極酸化皮膜の深さ方向分析を行った.酸化物/金属薄膜の界面付近では酸化物と金属成分が同時に検出されるためにこれらをスペクトル合成法によって分離して, 各成分の深さ方向分布を求めた.データ処理には表面のポテンシャル変化によるエネルギー軸のシフトと成分量を同時にフィットできる非線形最小二乗法を利用した.電解化成中に皮膜の耐圧が急激に低下した後.再び回復するという自己修復化成現象(SRF)の前後の皮膜構造の変化の解析を試みたところ, SRFの前後で深さ分布は類似しているが, SRF前の試料では界面に至る前の領域で酸化物成分の強度がわずかに増加しているのに対して, SRF後の試料ではこれが見られないという違いがあった.これは, 非結晶性の酸化層が結晶性構造に変化したためと考えられ, 絶縁性の向上に寄与していると推定された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1991-11-05
著者
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