石炭分析における試料のマイクロ波分解
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
石炭12種及びコークス1種(固定炭素43〜88.8%)について, 市販の開放型マイクロ波湿式分解装置(HANSEN製, Microdigest 300,最大出力300W)による分解を試みた.試料0.25gを採取し, (I)硝酸-硫酸及び(II)硝酸-過塩素酸により分解した.分解容器には硝酸の蒸発損失を少なくするため, 空冷コンデンサーを付した.又, 過塩素酸系分解には, 更にその上部に硝酸だめを付し, 必要に応じて直ちに硝酸を添加できるようにした.両分解法とも, 固定炭素と分解所要時間との間には, ほぼ直線的比例関係が見られた.(II)のほうが(I)に比べて分解所要時間を短縮でき, 例えば固定炭素88.8%のコークスの分解所要時間はそれぞれ, (I)125分, (II)80分であった.実試料の金属分析に際しては, 酸分解後フッ化水素酸処理を含むため, テフロン容器系の採用についても試みた.本法と密閉テフロン容器湿式分解法(通常加熱方式)との比較を試みた結果, 銅, マンガン, ニッケル, 鉛及び亜鉛について両者の定量値はほぼ一致した.
- 1991-03-05
著者
関連論文
- 導電率増大陽イオン交換膜チューブを用いるアンモニウムイオンのイオン排除クロマトグラフィー
- 湿式分解-原子吸光法による石炭灰中のクロムの定量
- 石炭中のカドミウムの原子吸光定量における各種の試料分解法の比較
- 黒鉛炉原子吸光法による骨の中のベリリウムの定量 : ポリリン酸の超音波分解法の利用
- 原子吸光法による石炭灰中のバナジウムの定量
- 黒鉛炉原子吸光法による骨の中のコバルト,銅,鉄,ニッケル及び鉛の定量
- 原子吸光分析法による石炭中の主要及び微量元素を含む12元素の定量
- イオンクロマトグラフィ-の晶析脱リン処理工程への応用
- チオ硫酸,酢酸及びアンモニウムイオンの同時処理のための回分式活性汚泥処理工程へのイオンクロマトグラフィーの応用(品質管理・工程管理のための分析化学)
- 導電率増大カラムを用いる生物学的硝化-脱窒素処理工程水中のアンモニウムイオンのイオン排除クロマトグラフィー
- 陰イオンの電量検出イオンクロマトグラフィーにおける炭酸系溶離液バックグラウンドの電気化学的抑制
- 写真工業廃液の処理-1-COD低減のための基礎実験
- 原子吸光法による石炭及び石炭フライアッシュ中のモリブデン,バリウム及びストロンチウムの定量
- 長期ウェザリングテストによる石炭フライアッシュ中の元素の溶出性
- 蒸発導入法によるカドミウム,鉛及び亜鉛の高周波プラズマトーチ発光法
- フレームレス原子吸光法による生物試料中のナノグラム量のベリリウムの定量
- 高周波炉を用いる加熱導入法による銀及び銅の高周波プラズマトーチ発光分析法
- 金属水素化物発生法を用いる高周波プラズマトーチ発光分光分析法
- 石炭分析における試料のマイクロ波分解
- 臭化セチルピリジニウム共存におけるピロカテコールバイオレットによるニオブの吸光光度定量
- 臭化セチルピリジニウム共存におけるピロカテコールバイオレットによるタンタルの呈色
- 双グラシーカーボン電極を用いる酸化イットリウム中のセリウムの定量 : 双極分極滴定法の研究(第2報)
- EDTAを用いる銅の定電流電位差滴定法 : 双極分極滴定法の研究(第1報)