ピナシアノールの溶媒抽出に対するテトラフェニルホウ酸の影響
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概要
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オニウム系色素を用いるイオン対抽出において、テトラフェニルホウ酸イオンが共存すると複雑な誤差を与えることが分かった。この原因について、キノリニウム型の色素であるピナシアノールを用いて調べた。ピナシアノール陽イオンよりもテトラフェニルホウ酸イオンの濃度が低い場合には、この両者はイオン対をつくって短時間で抽出される。ところが、テトラフェニルホウ酸イオンの濃度が高くなると、たとえ過塩素酸イオンが共存しても、ピナシアノール陽イオンは短時間では抽出されなくなる。すなわち、テトラフェニルホウ酸イオンの増大とともに抽出平衡に達するまでの時間が長くなる。これは水溶液中でピナシアノール陽イオンとテトラフェニルホウ酸イオンが、1:3のモル比からなる弱い会合錯体を形成しているためであろうと推定される。
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1975-12-10
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