イオン会合体のサーモクロミズムによるジフェンヒドラミンの選択的吸光光度定量
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概要
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テトラプロモフェノールフタレインエチルエステル(TBPE)はオニウム化合物の溶媒抽出吸光光度定量には適した抽出試薬である.しかしジフェンヒドラミンを定量する際,4級アンモニウム系イオンを取り除くことは難しい.しかしながら,TBPEとジフェンヒドラミンが形成する電荷移動錯体は温度の影響を大きく受け,一方,4級アンモニウム系イオンはほとんどその影響を受けないことから,これらの差を利用し,妨害のないジフェンヒドラミンの定量法を検討した.すなわち,温度変化Δtとそのときの吸光度変化ΔAの比ΔA/Δtがジフェンヒドラミンの濃度と比例することから,従来の検量線と同様の取り扱いができ,TBPEを用いる従来法において多大の妨害を与えていた4級アンモニウム系イオンの妨害もなく,ジフェンヒドラミンを定量することができた.直線関係はジフェンヒドラミンの濃度が(1〜5)×10^<-6>Mの範囲で成立した.
- 1979-05-05
著者
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石田 典子
岐阜歯科大学化学教室
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酒井 忠雄
岐阜歯科大学化学教室
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酒井 忠雄
College of Liberal Arts, Asahi University
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鶴房 繁和
岐阜歯科大学化学教室
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酒井 忠雄
岐阜歯科大学
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酒井 忠雄
College Of Liberal Arts Asahi University
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酒井 忠雄
Department Of Chemistry Gifu College Of Dentistry
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鶴房 繁和
Department Of Chemistry Gifu College Of Dentistry
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