超流動OS開発用超並列マシンシミュレータ

概要

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超並列システム用オペレーティングシステム「超流動OS」開発のために作成した、10000プロセッサ程度の規模の超並列システムのシミュレータERSEの概要について述べる。ERSEは超流動OSの機能要素や並列アプリケーションを実行し、ネットワークの転送特性を反映した仮想時間による性能測定環境を提供する。多数のプロセッサを備える超並列システムのシステム開発には、並列システム・シミュレータが欠かせない。目的によりシミュレータの提供する機能は以下のように異なる。1.ネットワークの性能測定用。プログラムのトレースから大規模ネットワークの転送特性を評価する。プログラムの実行はできない。例、INSIGHT 2.OS、アプリケーションの開発用。プログラムの実行が可能である。(a)インストラクションレベルのシミュレータ。OSの核やコンパイラを開発するために用いる。プログラムの実行は低速であるため大規模なシステムのシミュレーションは不可能。(b)プログラムレベルのシミュレータ。プログラムはネイティブコードで高速実行する代わりに、対象マシンのインストラクションの実行をエミュレートする機能はない。i.ネットワーク・エミュレーションを行なわないシミュレータ。プログラムの機能レベルの開発を目的とする。例、COSの開発環境。ii.ネットワーク・エミュレーション機能を有するシミュレータ。プログラムの機能レベルの開発に加えて、ネットワークの転送特性を含めた性能評価が可能なもの。ERSE(ETL RWC-1Simulation Environment)の対象マシンのひとつはRWC-1である。OSやアプリケーションの開発では、RWC-1システム全体を含む大規模なシミュレーションを行なう必要がある。そのシミュレータは、・PE数が多量であっても、許容できる処理時間でプログラムの実行が行なえること。・RWC-1のRICAアーキテクチャやネットワークトボロジ(CCCB網)の性能上の特徴を反映した性能評価が可能なこと。を満たす必要がある。そこで、ERSEは上記分類で2-b-ii のように、ネットワーク・エミュレーション機能を有し、プログラムレベルでの実行と仮想時間による性能測定を行なうシミュレータとした。ユーザはC++による並列オブジェクトの集合として開発・評価したいプログラムを記述し、ERSE上で実行する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

超流動OS開発用超並列マシンシミュレータ

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