微分幾何構造に基づく曲面変形

概要

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複雑な曲面形状(例えば、ヒトの身体)は、通常、いくつかのすでにデザインされた曲面形状(例えば、頭、腕、足)を、適当に変形し、つなぎ合わせることにより構成される。機能性や美的理由により、隣接する曲面は滑らかに接続していることが要請される。本報告では、あるデザインされた曲面Mの、次のような曲面M^1への、変形写像について考察する:曲面M^1は、すでにデザインされ空間内に配置された曲面M_1,…,M_Lと、滑らかに接続する([figure]1を参照、そこではL=2)。実際には、曲面Mのこのような変形写像は、有限自由度をもつ変形族Fとして計算される。例えば、ベジエやBスプラインのようなスプライン曲面の場合、境界付近の制御点は滑らかな接続の条件から決定されるが、内部の制御点は自由度として残る。曲面Mのそのような変形写像のインタラクティブ操作は、変形族Fの自由度が増えると、困難になる。したがって、変形族Fによって生成される変形曲面の中から、最初に提示する変形曲面として適当な曲面を、選択する技術が要求される。本報告では、曲面Mの変形族Fの中から、次のような変形写像f_1を求める問題を議論する:変形曲面f_1(M)の形状が、初期曲面Mの形状に、合理的な測度の下で、できるだけ近い。このような問題は、通常、変形エネルギーによって定式化され、エネルギー最小化問題として解かれる。我々の問題では、変形エネルギーに対して、次のような性質が要請される:幾何学的性質:変形エネルギーは、曲面の幾何学的構造によって定義されるべきであり、曲面の表現形式に依存するべきではない。また、曲面の全体的な形状と相関のある幾何学的量を、測定しているべきである。計算的性質:変形族Fの中で、その変形エネルギーを最小にする変形写像が、ただ一つ存在するべきであり、かつ、その変形写像が、具体的に計算されるべきである。初期曲面の全体的形状を反映するような変形曲面の生成を目指した変形エネルギーとして、変形量のL^2ノルムを採用したもの、第1基本量の差異のL^2ノルムと第2基本量の差異のL^2ノルムの和を採用したものが知られている。前者は、曲面の表現形式に依存せず、我々の計算的性質を満たすが、曲面形状と相関のある幾何学的量を測定していない。後者は、幾何学的解釈(同じ形状)をもち、さらに物理的解釈(弾性膜の変形)をももつが、難しい非線形最適化問題を引き起こす。実際には、この変形エネルギーは、物理的観点から簡単化されたり、単に、薄板モデルに類似の変形エネルギーによって代替される。しかしながら、このような簡単化を行うと、変形エネルギーが曲面の表現方法によって異なってしまう、すなわち、その変形エネルギーは、厳密には、幾何学的構造に関係していない。本報告では、我々の幾何学的性質と計算的性質の両方を満足する変形変形エネルギーを提案する(詳しくは[2]を参考)。
1994-09-20

微分幾何構造に基づく曲面変形

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