磁気ベクトルによる人工現実感表示用視点座標の実時間再構成システム

概要

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人工現実感を実現する上で必要となる、被験者の視点の位置と頭部の傾きの六自由度を周囲から発信する磁場のベクトルから再構成する技術を提案する。送信コイルを環境内に三ヶ所配置し、それぞれ干渉が起きないように、時分割で交流磁場を送信する。被験者の頭部に、三つの受信コイルを軸がそれぞれ直交するようにして固定する。これにより磁場ベクトルを得る。得られたベクトルの大きさから視点位置に関する3元の非線形連立方程式を立て、ニュートン法を用いて視点位置を求める。求めた視点位置において計算される磁場ベクトルと実際に受信コイルで得られる磁場ベクトルの間の回転行列を求めることにより頭部の傾きが得られ、合計六自由度を求めることができる。この方式の利点は、送信コイルと受信コイルとの距離の変化による磁場の大きさの変化を、直接位置の計算に利用していることである。すなわち、磁場ベクトルの大きさは、距離の変化に対して-3乗の傾きを持っているので、微小な変化の高感度な検出が期待できる。
社団法人情報処理学会の論文
1993-09-27