アーキテクチャシミュレータの概要

概要

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マイクロプロセサの設計フローは一般に図1のように捉えることができる。基本設計フェーズでは、回路のブロック図を描くなどして、プロセサの基本的な構造を決定する。次の詳細設計フェーズでは、ハードウェア記述言語を用いて回路を記述し、論理合成等によりネットリストを得る。そして実装フェーズではセルの配置やセル間の配線を行なう。設計目標を満たす実装ができればプロセサ設計は終了し製造に移ることになる。図中のフィードバックは、論理シミュレーションでパグが発見されたり、デザインルールを満たすような実装ができなかったり、実装はできたものの遅延時間に問題があるような場合に、設計の或る段階に戻ってやり直すことを意味する。しかし、ここで基本設計フェーズにまで戻るようでは、開発期間の大幅な遅れだけを見てもプロジェクトの失敗につながる可能性が高い。そうならないためにも、初期の段階から先を見通した設計を行なうことが非常に重要である。我々はこのような観点から基本設計フェーズを重要視し、このフェーズにおける作業をサポートするツールを開発した。本システム(アーキテクチャシミュレータ)の開発に当たっては、1.プロセサのモデルが容易に構築できること。2.各モデルについて性能およびサイズ/遅延時間の評価ができること。を基本方針とした。なお開発にはC言語を用い、ターゲットとしてはスーパスカラタイプのマイクロプロセサを想定した。アーキテクチャシミュレータは、性能評価システムと物量/遅延見積りシステムから構成される。以下ではそれぞれのシステムについて説明する。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-03-01

アーキテクチャシミュレータの概要

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