自由書式文書画像からの"限定キーワード"の抽出処理の検討

概要

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計算機による文書画像処理の手法はいくつか報告されているが、これらのシステムでは、処理対象とする文書の書式や、文字フォントの種類や大きさを限定するなど、対象となる文書にかなり厳しい制限を課している。本報告では、自由書式の文書画像から認識処理の手がかりとなるキーワードを得るために、抽出された文字パターンから論理的構造を表現すると考えられる性質を推定する方法を述べている。自由書式の文書画像の認識処理においては、抽出された文字や図形などを含んだ文字図形パターンに対して、(1)そのパターンがどのような領域を構成しているかという性質を調べる、(2)そのパターンが文字列であるとしたら、文書の構成上、どのような意味をもっているのかを調べる、という2つの判断が必要とされる。書式の定まっている文書を処理対象とした場合には、上述の(2)の判断は不要であるが、自由な書式の文書の場合には、この判断が特に重要性をもつ。本稿では、(2)の判断に対して、文字(列)パターンのもつ意味を理解し、その意味を文書の構造の理解に用いる手法について検討した。
一般社団法人情報処理学会の論文
1990-09-04