継承を伴う階層の集合を表現するデータベースの構造

概要

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データベースの出力は、利用者の理解の容易さを考えると階層構造であることが望ましい。オブジェクト指向モデルや非正規(入れ子)関係モデルでは、階層構造を利用者ビューとしており、関係モデルに比べ属性間のつながりが分かりやすいという特徴を持つ。オブジェクト指向モデルの階層には、is-a, part-of, a-kind-of, member-ofなどがあり、属性の継承が行われる。利用者は、これらが混在する階層構造をビューとする。利用者ビューとしての階層構造が複数与えられたとき、データベースはすべての構造を表さなければならない。ネットワーク構造を用いることにより、複数の階層を表す冗長性の少ない内部構造を実現できる。属性の継承はオブジェクト指向モデルの特徴の1つであるが、その値はオブジェクトではなくその祖先に保持されており、このようなデータベース設計時の重要な問題となる。本稿では、継承を含む階層構造の形式化を試み、そのようなネットワーク構造の設計法を示す。
一般社団法人情報処理学会の論文
1989-03-15