NameMasterの実現に向けて
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概要
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NameMasterは名前のデータベース(ネームベース)を管理し、名前に関するサービスを行なう。計算機を利用する際に、我々は様々な名前と遭遇し、また、自ら名前を作り出していく。エンドユーザからシステムプログラマまで、どのような立場で計算機を利用するかにかかわらず、名前と接する機会は多い。名前はファイル名であったり、コマンド名であったり、プログラム中の変数名であったりする。名前は重要である。モジュールの外側につく名前--例えば、サブルーチン名、オブジェクト名、ファイル名等--は、そのモジュールにアクセスする際のキーとなる。そのモジュールへのアクセスは、この名前によって容易になったり、困難になったりする。モジュールの内側に出現する名前--例えば、変数名、定数名等--はそのモジュール(プログラム)の読解性のキーとなる。この名前によりプログラムは読みやすくもなるし、わかりにくくもなる。プログラムを組む際に、我々は既存のモジュールを参考にしたり、修正したり、再利用したりする。まったくのゼロからすべてを組み上げることはほとんどない。既存のモジールは、過去に自分の作ったプログラムであるかもしれないし、システムの提供するライブラリであるかもしれない。既存のモジュールの再利川には、第一に、そのモジュールへのアクセス、第二に、そのモジュールの理解が必要である。多くのモジュールの中から、望みのモジュールを選び出すときには、そのモジュールの外側につく名前が重要である。そして、モジュールの内容を理解するには、そのモジュールの内側に現われる名前が鍵となる。名前は重要である。しかし、その重要性はプログラミングの作法、精神論として説かれてきたに過ぎない。曰く、「意味のある変数名を使おう」、「混同のおそれのない名前を使おう」等。我々の主張はこうである。重要な「名前」は計算機で扱う必要がある。名前を管理し、よい名前づけを支援し、また、ネームベースを利用した種々のサービスを行なう計算機システムNameMasterが必要である。我々はNameMasterの研究を進めている。これまでに、いくつかの成果は得られているが、実用的なシステムには程遠い。本稿では、NameMasterの実現に向けてどのような研究を行なっていくかについて述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
著者
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