パン酵母細胞の表層抗原に対する化学的処理の影響
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概要
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さきに考案した, 凝集反応を利用する免疫学的方法により, 化学的処理がパン酵母細胞表層の抗原性に及ぼす影響を検討し, メチレンブルー染色率や生細胞率と比較した.1.脂肪抽出は全細胞を死滅させたが, 抗原性には影響しなかった.2.たんぱく質と反応する試薬での処理は全細胞を死滅させ, 抗原性を1/2に低下させた.しかし, 適当な濃度のジエチルピロカーボネイト処理は抗原性を変化させなかった.3.炭水化物と反応する試薬での処理は全細胞を死滅させる濃度では抗原性を1/8に低下させた.過沃素酸処理では細胞が死滅しない濃度で抗原性が1/2に低下した.以上の結果から, ペプチドもわずかに抗原性に関与すること, ならびに, アセトン, ジエチルピロカーボネイトおよび酢酸が表層抗原調製に有用であることが推論された.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1976-12-25
著者
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