微生物におけるピリミジンヌクレオタイドの代謝に関する研究 : (第2報)Pseudomonas oleovorans におけるヌクレオタイド分解の調節機構について
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概要
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Pseudomonas oleovorans ATCC 8062 のヌクレオタイドの分解機構について検討した.その結果この菌株では AMP, GMP, UMP などのヌクレオタイドは主として nucleotide-N-ribosidase によって分解され R-5-P と該当する塩基を生成することを認めた.またこの菌株は adenase, guanse, cytosine deaminase など塩基の脱アミノ反応を触媒する酵素を生産するが, AMP, GMP, CMP などヌクレオタイドに作用する.deaminase の生産は認められなかった.この菌株のヌクレオタイドの分解活性はAMPによって阻害された.また AMP, GMPなどプリンヌクレオタイドの分解活性は NH_4^+ によって阻害されたが, CMP, UMPなどピリミジンヌクレオタイドの分解はNH_4^+ によって阻害されなかった.以上の結果よりこの菌株におけるヌクレオタイドの分解は AMPを調節因子として調節されているものと推測される.たとえば, UMPの分解においては, UMPは nucleotide-N-ribosidase の作用によってウラシルとR-5-P に分解される.この反応はAMPによって阻害される.すなわちUMPの分解はAMPの濃度によって調節されている.一方AMPも nucleotide-N-ribosidase の作用によってアデニンとR-5-Pに分解される.この反応で生成したアデニンはさらにadenase の作用でハイポキサンチンとアンモニアとに分解される.アンモニアはUMPの分解調節因子であるAMPの分解を阻害する.このようにしてAMPとピリミジンヌクレオタイドおよびAMPとNH_4^+ の相互関係によって本菌のヌクレオタイドの分解が調節されているものと推定される.
- 社団法人日本生物工学会の論文
- 1971-06-25
著者
-
千畑 一郎
田辺製薬株式会社
-
渡辺 泰三
田辺製薬(株)応用生化学研究所
-
坂井 拓夫
田辺製薬株式会社 化成研究所:大阪府立大学農学部
-
渡辺 泰三
田辺製薬 応用生化研
-
渡辺 泰三
田辺製薬株式会社, 化成研究所
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