スギ採種園で雄花量を調節した条件下での花粉の飛散状況
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概要
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茨城県林業試験場構内のスギ採種園内で, 1980〜1982年に, GA処理と除雄を組み合わせて雄花量を調節した七つの試験区(中央の試験木と隣接した周囲木8個体で構成)を設定して, 各試験区における飛散花粉量を測定した。この採種園での花粉飛散期間は3月上旬から4月上旬の約1か月間だった。飛散花粉量は風の強い日, 平均気温の高い日に多かったが, 相対湿度とは明確な関係が認められなかった。1980年と1982年の各2試験区における飛散花粉量の測定結果から, 多量の雄花が着生し樹冠層が閉鎖した園内では, 飛来した花粉の54%が隣接した周囲木の花粉であり, 飛来した花粉のうち試験木自体の花粉が占める割合は1%以下で, きわめて低いと推定された。また, 1981年の3試験区における飛散花粉量の測定結果から, 雄花がほとんど着生していないかなり疎開した園内では, 飛来した花粉の構成内容は, 試験木自体の花粉が15%, 隣接した周囲木の花粉が54%, 試験区外からの花粉が30%であると推定された。
- 日本森林学会の論文
- 1984-12-25
著者
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